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「子供部屋で勉強」はもう古い?子供が勉強できる今時の間取り

子供が勉強できる間取り

子供にとって、住まいと教育の関係は大きく、家で勉強が出来るか否かは「その家の間取り」や「家族の意識の持ち方」に大きく影響されます。

子供にばかり「勉強しなさい!」「宿題したの?」と詰め寄る前に、お家の中を見直してみませんか?

目次

そもそもなぜ子供部屋は必要なのでしょうか?

実は、我が家の一人息子もこの4月から小学校一年生です。はじめての学用品などの準備では、入学説明会やママ友情報で色々と興味深いことを耳にしました。

「授業で使う筆箱や下敷きにキャラクターのものはNG。キャラクター物だと授業中に絵ばかり見てしまいボーっとしてしまうから」
「下敷きは透明のカラーの物も避けてください。緑だったり赤だったりすると下敷き越しに『わ~、○○色の世界だ~』となり、授業に集中できなくなってしまいます」
とのこと。確かに小学校一年生では、やり兼ねないですよね(笑)

勉強する環境には、そういった「誘惑するもの」を排除することも大切な要素だと改めて納得しました。
そういった観点から考えれば、自分の好きな物が詰まった「子供部屋」は、もはや勉強するための環境とは言えませんよね。
そもそも、今時の住宅設計では「子供部屋=勉強部屋」という考え方はあまりしません。

「子供部屋」は、子供の自分専用場所として、部屋を綺麗に保つための片付けや自分の物の管理、朝ひとりで起きるなどの生活習慣を訓練する成長の場所、自立心を育てる場所としての位置付けだと考えられています。

ですから、「子供部屋を何歳から与えたら良いか?」と聞かれれば、個人差があるものの小学校低学年からが妥当だと考えています。

勉強ができる間取りとは?

「東大に合格する人の多くはリビング(ダイニング)で勉強をしていた」という話は有名です。だからリビングに勉強机を置けば良いかというと、ちょっと違います。
リビング学習のメリットは、勉強中に分からないことがあれば直ぐに親に聞けて時間のロスがなく、親との勉強時間を持つことによって子供に家での学習習慣が身につきやすい、という点が考えられます。

しかし、リビングにはテレビがありゲームがあったりしますよね。子供たちを「誘惑するもの」も多く存在します。15分勉強してご褒美に30分テレビを観るなんて本末転倒なことにならないよう気をつけなければなりません。

そこで、私が住宅設計をする際は、リビング・ダイニングとは別に「勉強スペース」や「家族のフリースペース」を設けるようにしています。
理想は、間仕切りの無いオープンな場所に設置すること、そして常に家族のいるLDKから子供も親もお互いに気配が分かり会話ができる場所がベストです。

そういった家族の勉強スペースのトレンドは、パブリックなファミリースタディスペースです。

今や私たち親世代も家で勉強したり、仕事をしたりしています。そういった環境を子供と共有することはとても大事なことです。家族全員のデスクを一箇所に集約して、その場所で子供は勉強、親は読書やパソコン作業など、デスクに抵抗なく向かう気持ちを育みやすい環境つくりがポイントです。

したがって、子供部屋の個室はベッドや衣類、本棚が置けるくらいのミニマムな空間に留めておいて、ファミリースタディスペースはゆったりと気持ちの良い環境にすることをお勧めします。逆に子供部屋の居心地を良くしすぎてしまうと引きこもりがちに・・・なんてこともありますから、ご注意ください。

ファミリースタディスペースの実例をご紹介

【事例1】1階と2階を繋ぐ階段のホールに設置したファミリースタディスペース

【事例2】1階と2階を繋ぐ階段のホールに設置したファミリースタディスペース

【事例3】LDKからサニタリースペースまでの通路を利用したファミリースタディスペース(リフォームバージョン)

間取りだけでなく、家族の意識も変える

自発的に子供に勉強をしてほしいのであれば、家族の意識改革も重要です。
勉強する間取りや環境を整えたとしても、子供以外の家族が「楽しいこと」をしていたら、子供心に「ズルイ!」「自分だけ勉強させられている」という勉強に対するネガティブな感情が出てきてしまいます。
子供がやる気になってする勉強ほど頭に入るものはない、ですよね。
ですから、家での勉強時間をだらだらと長時間とるのではなく、家族みんなで「この時間は家族で勉強する、読書する」というルールをつくれば、子供たちも「自分だけ勉強させられている」という感覚はなくなるのではないでしょうか?
思うことは子供も大人も一緒です。勉強をする意味や必要性を家族で共有できれば素晴らしいですよね。

さいごに

よく「家づくり」において、「子供部屋は必要か?」という議論はありますが、私は「必要派」です。
子供部屋は3~4.5畳とコンパクトにして、大きな壁面収納や個室とは別にファミリークローゼットを設置すれば、狭くたってスッキリと過ごせると考えています。
もしくは、子供の成長と共にレイアウトが変更できる大空間をつくって家具などで仕切れるようにするのも流行っていますよね。家族構成や10年後20年後の生活をイメージしながら決められると良いと思います。

子供にとって住環境はとても重要です。
今お住まいの家でも改善できるポイントはあるはずです。子供が勉強できるお家にリセットしてあげましょう。

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